2013/03/20

いざダラムサラ


3月18日 月曜日 アムリトサル 〜 ダラムサラ

朝7時頃起きると、部屋の中はまだ暗くみんな寝ている。
さっさと出てダラムサラに行きたいと思っていたので
用意をしようと思ってとりあえずトイレに行こうとすると、体がやけに重い。
まぁ朝だからと思ったが少し長く歩いてみると、尋常のダルさじゃない。
もしかしたらここ数日、毎日下痢をしているのにもかかわらず
水分をあまり摂ってないので、脱水症状ではないかと思い
虫の息のような状態で外に水を買いに行く。

バナナも買いたいと思ったが、周りには見当たらず、これ以上歩けそうもない。
あまりにダルいので、近くにあった椅子に座り込み、考え込む。
この状態でバスに8時間も乗るというのは無謀すぎるし
そもそもバスターミナルまでも辿り着く自信がない。
やはり病院に行くしかないと思い、寺のスタッフに病院教えてくれというと
寺の中にある保健室のような所に連れていかれ、そこのオバちゃんに症状を伝えると
またタブレットをたくさん出し始めたので、もうそんなのゴメンだ
病院行って点滴打ちたいんだと伝えたが
おばちゃんが「いいからだまってこれ飲んどき!」と色々説明し始めたので
もうしょうがないと思い、また薬を飲むことにした。
おばちゃんが言うには、今これ飲んで、15分後にこれ飲んで
今日の4時にまたこれ飲め。そして一日7本くらいバナナを食え。
チャパティーは食べちゃダメだけど、米とヨーグルトならいい。
俺がフルーツジュースはどうだ?と聞くと、バナナの方がいいと言われ
また前回の南インドのバナナ地獄を思い出したが
おばちゃんの自信ありげな顔を信じることにした。

その場で最初の錠剤を飲み、また外に出て、歩けそうにないので
サイクルリクシャーをつかまえて、自分で道を指示しながら果物屋を探した。
10分ほどで果物屋を見つけバナナを5本買い、またリクシャーで戻り
ベッドでバナナを2本食べ、次の錠剤を飲んで寝て横になった。

しばらくすると、さっそく薬が効いたのか、体が少し良くなってきたので
もうこれは行くしかないと思い、気合いで荷物をまとめ
外国人部屋担当のオジサンに寄付として200Rsだけ渡し、宿を出た。

すぐにサイクルリクシャーを捕まえ、バスターミナルに向かった。
ターミナルに着くとすぐに、パターンコート行きのバスを見つけ乗り込んだ。
最初はよかったが、1時間ほど立つと体がとてもダルくなってきて
背筋を伸ばしていられない。
しかしだらしない姿勢だとさらに疲れるので
どうしたらいいかわからず何度も何度も姿勢を変えていた。

3時間ほど乗り続け、いつ着くのかわからないジレンマに
気が狂いそうになったときに、やっとバスはパターンコートのバスターミナルに着いた。
すぐに人が、ダラムサラに行くのか?と聞いてきたが
いやいやとにごしながら建物の裏に行き、シートを床に敷いて横になった。
このままバスに乗り続けたら死んでしまうと思い
そこでバナナを食べたり水を飲んだり、ピクニックのような感じで30分ほど休んだ。
今日はもうここに一泊ようかなとも思ったが、まだ時間は午後2時で
夕暮れ前までにはダラムサラに着けると信じ、ダラムサラ行きのバスに乗った。

今度は、バスは山をどんどん登っていき、景色はどんどん良くなっていくが
私の体調はそれと反比例し、どんどん具合が悪くなっていく。
なんとか気を鎮めて、落ち着こうと思うが、体も心もそれどころではなく
頭の中がグルグルしてきてもう限界だと思ったら
3時間ほどでなんとかバスはダラムサラ入り口に着いた。
しかしここはまだ入り口で、ダラムサラに行くには
さらにバスに乗らなければいけないらしく、降りた人は違うバスに乗り込んでいるが
わたしは少し吐き気を催していたので、座れる所をさがし
荷物を下ろしてまた横になった。
周りの人は奇異の目で見ているが、もうどうだっていい。
なんならチンコ丸出しで寝てやったっていい。

10分ほど休み、また頑張って次のバスに乗ったが
今度はほんとうに吐きそうになり、カバンからビニール袋を出し
もうダメかと思った所で、バスは目的地に着いた。
やっと来たかと思ったら、さらにもう一本違うバスに10分ほど乗って
わたしの目指す宿や店が多い地区に着くらしい。
空はもう暮れかけており、山の上のせいかとても寒く、今日も散々だなと待っていると
ようやく最後のバスが現れた。
今度のバスはリクライニングだったので、勝手に倒れるシートに身をまかせ
死体のように寝ていた。
10分ほどでついにダラムサラの中心街、マクロードガンジに着いた。

人に道を聞き歩いてゲストハウスを何軒かまわり
いつもより高めのホットシャワーが出るツインベッドの部屋にチェックインした。
体は限界だったが、心がだいぶ回復したので
噂に聞いていた日本食レストランまで、頑張って10分ほど歩いた。

中は色んな旅行者でにぎわっており、わたしは米が消化にいいと聞いていたので
おにぎり3個と味噌汁を注文した。
シンガポールでも日本食なんてほとんど食べないのに
まさかこんな所でこんな状況でありつけるとは思ってもいなかった。
今の自分にとっては、ほぼ一週間ぶりのまともな飯と言っても過言ではない。
オニギリは味噌入りと、シソだったのだが、涙が出るほど美味しかった。
味噌汁も豆腐はこっち特有の焦げた味がしたが、スープはとても懐かしい味で
ほんとうにここまで来てよかったと思えた。
しかし久しぶりの飯だったので、胃があまり量を受け付けないので
少しだけ残してしまった。
インドに来る前ならこれの2倍は食べられただろうに。
なんと哀れな我が胃。

帰り道はもう足がガクガクだったがなんとか部屋に戻り、今度は洗濯をした。
列車の中も、寺の宿もとても汚い寝床だったし
おまけに昨日はクソまで漏らしやがったので。
大きなバケツにお湯を入れ、服を何枚も一度に洗うのは体にキツかったが
ようやく楽園を見つけた気分で、なんとか気力だけで洗濯を終え
ついに自分もシャワーを浴びたが、久しぶりに鏡で自分の裸を見たが
胸の真ん中や、肋あたりの肉がこそげ落ちて骨がくっきり見え
ここ数日間でどれだけ痩せたかがハッキリわかった。
少し悲しくなったが、シンガポールに帰るまでに
あのレストランに通って元通りになってやると誓った。
時間はまだ10時前で目は冴えていたが、さすがに疲れているだろうと思い
消灯し眠りについた。





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