知り合いの家で猫を飼っててね
その猫にちょっと噛まれちゃったのよ右腕ガブリと本気で
犬や猫なんてたいしたことねーだろあんなもんと思ってたけど
いざ噛まれてみるとすごく痛くてさあ
やっぱあの牙っていうやつ あれがやっかいなんだよね
肉に食い込むっていうか いやーほんとまいったね
噛まれる前はさ 例えば野犬が襲ってきたとしても
まずは腕かスネを噛ませておいて 空いてるほうの腕で
チョークスリーパーかけて首の骨折ってやるんだー なんて思ってたけど
無理だわこれは もうね 銃殺しかないね銃殺
今度日本から戻ってくるとき なんとかこっちにエアガン持ち込んで
アジアの凶暴な野良犬から野良猫までぜんぶ撃ち殺してやるんだから
そんな夢がぼくにはあります
まぁそんなのはどうでもいいとして 実はそれが予防注射もなにもしてない野良猫でさ
家の中で飼ってるんだけどね 野良猫だったのよ元
それで 朝に噛まれたんだけど その日の夜になって噛まれた所がすごく痛くなって
歯ブラシもできなくなってさ さらにちょっと熱が出てきたんだよね
そんで一生懸命そこを冷やして寝て ひとまず熱は治まったんだけど
まだ噛まれたとこが少し腫れてて痛いもんだから
家の近くの小さいクリニックに行ってきたのよ 一人でね 偉いよね
中国系のオジサンの先生だったんだけど
会話は英語ね たぶんこんな感じだったと思う
山口「失礼しまーす」
先生「はいこんにちわ。ヤッマッグッチっていうの名前?ヤッマッグッチ?」
山口「はいそうです。ヤマグチです。」
先生「ああそう。で どうしたの今日は?」
山口「あのーじつはかくかくしかじかで」
先生「あらーそれは大変だ。感染したんだよきっと。感染だよっ。感染っ。」
山口「ええそうですねえ これどうしたらいいですかね?」
先生「注射打とう注射。あるんだいいのが。(立ち上がり棚をあさる)」
山口「(突っ立って先生を待つ)」
先生「ほらこれだよ見て。TETANUS。TETANUSって書いてるでしょ。」
山口「はぁ」
先生「これしたらさ 10年は大丈夫だよ。10年。」
山口「10年ですか?」
先生「色々雑菌とかあるでしょ 傷口から雑菌とか入ったりさ」
山口「あああ はい 予防ってことっすね」
先生「じゃあいい?いいでしょコレ?」
山口「え? はい」
先生「じゃあこれね こう開けてね(箱から注射を取り出す)」
山口「え?今すか?今打つんすか?」
先生「はい肩だして肩。右利きだよねきっと。だから左肩だな。」
山口「(心の準備が・・・)」
先生「はいじゃあ一応消毒して と はいブスッと(立ったままで)」
山口「(痛い・・・)」
先生「はい はい オッケーよ すぐ押さえてここほら。血出るから。」
山口「あのー」
先生「じゃあ薬もね。出すよ。飲んで治してね。」
山口「はい 薬もあるんですね?」
先生「名前これなんて言うの?ヨッヘー?ヨッヘーって言うの?」
山口「ええ はい そうです ヨウヘイです」
先生「ああそう はい じゃあね」
山口「はい じゃあ ありがとうございました」
先生「はいー はいー どうもー」
保険証とかそういうのはなくて
薬もけっこうもらって全部で3500円くらいだったかな
手際がいいっていうか ちょっと適当なんだけどさ
まぁ死ぬときは死ぬんだなあって思ったよ
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