2012/07/12

青少年更生施設いんシンガポール















わたしが練習に行ってる柔道のクラスに
一人背の高い白人の青年がいて、なぜかわたしの事があまり好きじゃないらしく
ずっとシカトされてたんだけど、たまたま乱取りをする機会があったのでやってみたら
けっこう力が強くて、本気でやらないとまずいと思ったので
ちょっと厳しく、相手が嫌がる柔道をしたんです。
そしたらあっちもそれでキレたらしく敵意むき出しの柔道をしてきて
まいったな〜と思ったんだけど、ここはハッキリさせとかないとと思って
寝技も一緒にやったら、さらにひどい態度で攻めてくるので
絞めてやろうと思い首筋に手をかけたら
キレてたのプラス、そうとう絞め技に恐怖を感じたらしく
足で思いっきり吹っ飛ばされた。

このクソガキと思ったが、力が相当あるのがだいたいわかったので
これはやっても返りうちにあうと判断し、そいつにはもうそれ以上かまわなかった。

練習終わってからよく考えると、たぶん私生活で色々あって反抗期なんだなと思ったが
でもそんなの関係ねえ!そんなの関係ねえ!とやはり腹の虫は収まらず
とりあえず今後はアイツの事はもう完全に無視しようと思った。
そしてその次の週から日本に帰国したので、練習にはずっと行けず
帰ってきてからも、そいつは練習には来なかったので
ラッキーと思いながらのうのうと練習に励んでいた。

しかし先週ついにそいつが練習に現れて、わたしももう怒ってはいなかったので
普通にただそいつとは接触しないようにしていたのだが
乱取りのときに、まっさきに彼がわたしのところにやってきた。
えっ?どういう風の吹き回しだ、決着でもつけたいっていうのかコイツ。
と思っていたら、ちゃんと目を見て礼もするし、穏やかで真っ当な柔道をしやがる。
それどころか、笑顔まで出して、今のはすごい!とか、これはやられた!とか
わたしに話しかけてくるではないか。

すぐに彼が改心したことを感じたので
わたしなりに色々技を教えたり、アドバイスをしてあげた。


この一ヶ月の間になにがあったかわからないが
きっと彼なりに、以前の事を反省して、自分から私に接触してきてくれたのだと思う。
以前の彼と今の彼を比べると、柔道も楽しそうにやっているし
きっと私生活でも前向きにがんばっているような感じがする。

シンガポールに住んでいる外国人の子供たちは
自分から来たくて来たのではないという子がもちろん大半だ。
ちゃんと適応してうまくやる子もいれば、何に対しても否定的になり
見た目はわからなくても、心の中がひねくれきってしまった子供たちもたくさんいる。
(わたしのようにぃぃぃぃ!!)

仕事ばかりで、そういう子供たちに気づいてあげられない親が全部悪いんだけどね。
(わたしの場合は気づいてくれる親すらいないぃぃぃぃ!!)


そんな中で、彼がしっかりと立ち直ってくれた姿をみれたことはとても嬉しく
わたしも彼に負けないようにがんばろうと、帯をギュッと締め直した。


いやぁ、ほんとうにいい話ですね。

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