2015/05/02

ラオスより何も込めないで

【5月2日】

わたしは今ラオスのナヒン村という所にいる。昨日着いたばかりだ。村というだけあって何もないが、しかし自然はたくさんある。大きな山に囲まれていたり、町中を牛が歩きまわり、空はばかでかく開けていて、部屋の前には小さな蛇がいた。

4月27日の夜にバンコクに飛行機で入り、2、3日一人で豪遊し散財し、29日の夜に深夜バスで12時間以上かけて、ラオスとの国境にある街、ナコーンパノムに着いた。わりと大きな町だったが、とくに見るものはなくメコン川沿いを自転車で行ったり来たりした。夜は一人で町をブラついていたら、店の掃除をしている同じ年くらいのタイ人の兄ちゃんが、つたなすぎる英語で話しかけてきた。ビールは好きか、パーティーは好きかと聞いてくるので、「うーん。。。まぁまぁかな。あんま好きじゃない」と答えたが、じゃあこれから一緒にパーティーに行こう、しかももう一人日本人の友達がいるんだぜ、名前はリオっていうんだ。リオー、リオーー!とものすごく嬉しそうに話しているので、まぁ悪い人じゃないし、店も特定してるんだから騙されはしないだろうと思い、しぶしぶ承諾。誘ったんだから奢ってくれるんだろうと思ったら、向かいの7-11でビールを4本とお菓子を買わされた。そして店先で待つこと20分、スクーターでタイ人二人と、若い日本人男性一人が登場。挨拶もそこそこに店先にテーブルを出し、みんなで俺の買ったビールを回し飲みし始める。リオと呼ばれている青年は、本名は「りょう」で今は大学を休学し一人で長期旅行をしているんだとか。タイ人は全部で5人ほどになったが、わたしに声をかけてきたのはその店(板金屋)の社長で、他の四人(男1女3)はそこの従業員らしい。英語が少しできるのは小さいダンプ松本のような、太ももに大きい鯉の刺青が入った女だけで、社長はリオー!リオーー!しか言わない。30分ほど経つと社長がものすごく辛いパパイヤサラダを作り始め、それを食わされた。1時間少し経つと従業員もかなり眠そうだったので(社長だけ元気)りょう君と二人でおいとました。

帰り道にそのりょう君が、あの社長は実はホモで、昨日も一緒に飲んだが、立ちションしてるときに後ろから襲われてチンコを揉まれたと言っていた。

そして次の日の朝9時半、ナコーンパノムからバスで国境を越えて、ラオスに入った。そしておんぼろバスに乗りビエンカムという町に向かう。バスはラオス人で満員でわたしの隣には若い仏僧が二人座っていたが、二人で焼き鳥を食べていた。タイの仏僧は肉オッケーなのだろうか。噂には聞いていたが、ラオスの道はほんとうに凸凹で、縦揺れがハンパない。そして周りには何もなく林や山が広がっているだけ。繁栄度をタイと比較すると、タイが5でラオスが1だ。バスは一時間ほどすると小さい出店がいくつか並んでいる所で急に止まり、何人かが降りたので自分も降りる。店にはどっかで勝手に採ってきたのであろう、野草、蛙、大きい蟻、ナマズ、大きいトカゲ、黄色い鳥、子鹿、ハクビシン?、巨大なムササビ等が売られていた。ものすごく雑に並べられて。それからまたバスで凸凹道をさらに2時間くらい走り、ビエンカムという何もない村で降り、そこからソンテウという乗り合い小型バスのようなのに乗ろうとするが、待てども待てども出発せず1時間ほど経ってやっと動くかと思ったら、色んな荷物を積み始め足下にも目の前にも野菜やら砂利やら置かれて、他に現地人10人ほど乗せてやっと出発。あいかわらず道は凸凹、砂埃や排気ガスがすごくてみんな口を押さえていた。そして山の中をトロトロと登ったり降りたりで、心が折れそうになったが、山の上の方まで登ったときの景色はすごかった。なんというか中国の風景区のような、仙人がいそうな山々の連なりを見下ろしていて、ラオス恐るべし!と思った。しかし車はぎゅうぎゅうでガタガタのゴホゴホで、正直景色を見るのも辛い体勢を強いられていた。

そのソンテウで一時間半は耐えたであろうか、やっと終点のここナヒン村に着いた。しかし本当の目的地はさらにここから、またソンテウで一時間のコンロー村なので、バス停でまたソンテウの出発を待つ。時間はもう午後4時半。今回は人に聞いて、あと30分で出発すると聞いたので、じゃあその前に飯を食おうと思い近くの「英語フランス語話せます」という看板が立っているレストランに入って、フライドライスを注文した。しかしいつまで経ってもフライドライスは来ない。あと10分くらいでバスは出発だというのに、しびれをきらし厨房を覗くと、まだなんか材料を洗ったりしている。おじさん時間ないんだけど。。。と言ってみるが、せかしてもどうにもならない雰囲気。どうしようかなと考えていると、店の前にゲストハウスの看板がある。オジさんにこの近くはゲストハウスあるのと聞くと、たくさんあるよというので、今日はここに泊まろうと決め、冷蔵庫から勝手にビールを出して飲んだ。すると急に気が楽になって、おじさんのフライドライスもやっと出て来て、それと同時にソンテウは出発し、目の前を通りすぎて行った。フライドライスは思いのほか美味しく、店にはwifiもあったので、ネットで調子の良さそうな宿を調べ、そこにチェックインした。値段は600円ほどで、小ぎれいな所だった。wifiもあると言っていたが、全然繋がる気配なし。すぐに風呂場で服を洗濯したら、水が茶色くなった。土埃のせいだろう。


外を散歩したらすぐに日が暮れ、店も全部閉まり、7時前には村はシーンとなり犬の吠える声しか聞こえなくなった。宿で瓶ビールを一本買い、部屋で飲んでいたらすぐに眠くなったので、8時頃にはもう寝てしまった。そうとう疲れていたんだと思う。朝から晩までただ乗り物に乗っていただけなのに、この冒険した感、やりきった感はいったい何なんだろうか。これがラオスの一つの魅力なのかもしれない。今日はそのコンロー村まで行って、全長7.5kmあるというコンロー洞窟の中に入ってこようと思う。今日は大丈夫だろうか。。。

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