2013/09/09

ペルヘンティアン島その3

9月5日(木曜日)

朝11時に宿をチェックアウトしまして、それからロング・ビーチに行き、「Mohsin Chalet(モーシン・シャレー)」違うシャレーにチェックインいたしました。山の斜面に建っているオシャレなシャレーでして、部屋やカフェからはロングビーチが一望できますので、もちろんお値段もそれなりで、一泊4000円と聞いていましたが、なんとその日はプロモーションらしく半額で泊まることができました。そんなものだまっていらっしゃればこちらは大人しく4000円払ったものを、なんともまあ正直で誠実な人たちだこと、そしてなんとまあラッキーな私たちでしょうと、いたく感動いたしました。

さらに部屋に入ってみると、とても清潔そうですし、シャワーの出も素晴らしく、ベッドシーツもまったく臭いません。ほんとうに宿選びというのは重要ですが、なんとも難しいものですね。

ロングビーチからは、山の上に建っている風車が見えるのですが、そこまで歩いて行ける道があると聞いたので、じゃあ午後からそこに行こうということで、2時から二人で山道を登りましたが、日陰もなにもない道で、ほんとうに日差しがキツく、登山帽を持って来るのを忘れた事を深く後悔いたしました。一応頭に白いタオルをかけておいたのですが、その甲斐虚しく、顔が真っ黒に焼けてしまいました。白いタオルや、薄い日傘などは、この殺人太陽様の前ではなんの役にも立ちません。

しかし山道自体はそんなに長くはなかったので、20分ほどで頂上の風車を見る事ができたのですが、ほんとうにただの風車で、これを見てどう納得すればいいのか困っていたのですが、どうやらその先にも道がまだ続いているようで、恐る恐る進んでみますと、なんと展望台に辿り着きました。
けっこうモダンな建物で、山の下の海岸までずっと階段が続いていたのですが、海の近くだからでございましょうか、手すりから何から鉄の部分はほとんど錆びてボロボロで、廃墟の展望台といった感じで、我々のほかには旅行者や地元の人など誰もいませんでした。

眼下に広がる海はほんとうにコバルトブルーで綺麗でございました。シュノーケリングツアーで来ているようなマレー系の若者さんたちがたくさんいて、ライフジャケットを着て遊んでおりました。バナナボートに乗りながらいつも同じ所でみなさん転落されるのですが、あのような事を繰り返していったい何が面白いのかと少し不思議に思いました。

それから夕方になりましたので、山を降りて宿に戻り、夕方からわたしは一人で岩場を一人で泳いでみました。お魚さんたちも夕食の時間なのか、色とりどりの魚の巨大な群れが岩場をつつきながら少しずつ移動していましたが、その光景は「白い巨塔」の東教授の総回診を連想させました。

夜はまた静かで質素なレストランで、二人でBBQセットを頼みました。わたしはバラクーダ(オニカマス)の包み焼きを食べましたが、これも大変美味しゅうございました。周りはほとんど欧米人の客で、だいたいカップルか3、4人の友だちでみなさん来ていらっしゃるのですが、たまに一人でポツネンと食事をされている人がいました。わたしも今度一人で来たらこういう図になるのだなあと肝に銘じておきました。

9月6日(金曜日)

さて今日はついに島を出る日なので、朝飯をゆっくり食べて11時にチェックアウトしました。帰りのボートは夕方4時なので、わたしは一人でまた昨日の展望台に行ってみることにしました。けっこう登りがキツイので、長い木の枝でストック(杖)を2本作り、それを使って登りました。昨日と同じく展望台には誰もいなかったので、汗で濡れた服を全部脱いで素っ裸になり、タオルを一枚だけ腰に巻き、ハンモックを吊るして寝ました。
素晴らしい景色を眺めながら、槇原敬之ベストを聴きましたが、ほんとうに槇原さんの「どうしようもない僕に天使が降りてきた」は名曲だなあと思いました。

時間が早かったせいか、昨日のように海で泳いでる人たちもいなかったので、日焼け止めを脚の裏にしっかり塗ってから、一人で泳いでみましたが、水深は6、7mほどで海底は真っ白な砂になっており、超巨大なプールといった感じでした。しかし一人でこの広大な海で泳ぐというのはもちろん気持ち良いのでございますが、もし鮫のような危険な生物に遭遇したらどうしようという思いは常にあり、あまり手放しでは楽しめない感じもありますが、アウトドアというのはそれぐらい気を張りつめていた方がいいのかもしれません。

それからまた昼寝などをして、3時前には宿に戻り、トイレで無理矢理体を洗って、4時にジェッティーからボートに乗ってペルヘンティアン島をあとにしました。島はとても良い天気だったのですが、大陸の方は巨大な雨雲が町を覆っており、遠目からみても雨が降っていることが確認できました。やはり島と大陸の気候はまたちょっと違うようですね。

クアラブスのジェッティーに着いてから、またタクシーでジェルテという町に戻りましたが、帰りのバスは夜9時で、まだ5時間以上も時間があったので、町をジャランジャラン(マレー語でブラブラ)したり、古着屋でズボンを買ったりして時間を潰しました。このジェルテの町も、マレー系の人たちがメインの町ですから、猫が多いのなんの。視界の中に必ずいつも猫が一匹は居るのであります。なんと素敵な所でしょうかマレーシアという所は。

晩ゴハンも食べ、バスステーションでバスを待っていたのですが、そこで一人面白い方を見かけました。バスが到着する度に拡声器を持って歩き回りアナウンスをする青年なんですが、この方が異様にハイテンションで「さあみんなクアラルンプール行きのバスがついにやってきたよぉ!乗り遅れないでくれよイヤッホウ!」などと延々と宣っていらっしゃって、周りの方もクスクス笑っておられました。さしずめマレーシアのエディー・マーフィーといったところでしょうか。ひょうきんな方というのはどこにもいらっしゃるものですが、この方からは比類なきシュールなセンスを感じました。
また来年もこの方を拝見できるかしらんと思っているうちにバスが来て、11時間後には今回も家に無事に着くことができました。それにしても改めて鏡で自分を見てみると、体だけが白く顔と脚は真っ黒になっていて、燃やし方を間違えたマッチ棒のようで、非常に気味が悪くなっておりました。

今回は移動から宿から全部含めてたった15000円の出費でございます。バリ島やプーケットなどへ行くと一日でなくなってしまう額ですが、マレーシアでしたら工夫をされればもっと遊べるはずでございます。ぜひ皆様も機会がございましたら、足を運んでみてくださいませ。以上、わたしのささやかな自慢話でございました。





写真1:バナナ・ローティチャナイ(パンケーキ)。左にあるカレーにつけて食べます。
写真2:モーシン・シャレーの部屋から見たロング・ビーチ。
写真3:ライフ・ジャケットをつけて遊ぶマレー系の若者たち。基本カナヅチ。
写真4:フィレオフィッシュ・バーガーとツナサンド。
写真5:自作のストックでドヤ顔。
写真6:ここでハンモックに寝ながらチンチンをしごいた。
写真7:一番下から見上げた光景。上に風車が見える。
写真8:傾いて入水場と化した廃墟ジェッティー。
写真9:まるで露天風呂のよう。











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