2014/01/20

発音ミク















シンガポールで今一番有名な建物といったら、やっぱりあのホテルの上に船が乗っかっている「マリーナベイサンズホテル」でしょう。そしてその建物の裏に大きい植物園がありまして、その植物園のさらに裏にフードコートがあるんです。美味しいシーフードや、串焼きの店があるので、夜は大変混雑しているのですが、昼間は客もほとんどいなく、とても落ち着く所なのです。

わたしは平日の昼間によくそこに行き、コーヒーなどを飲みながら3、4時間ずっと座って本などをよく読んでいます。とても落ち着く良い所なんですが、一つだけイラつくことが。そこで飲み物を買うときに、店のオバちゃんに飲み物を頼むんですが、そこのオバハンがいつもわたしの英語の発音に難癖つけやがるんです。

シンガポールは「シングリッシュ」と言われるほど、独特の英語を使う国なんですが、とにかくその英語の発音がひどいんです。日本人の発音もよくバカにされますが、わたしはシンガポールの英語だって同じくらいひどいと思います。たとえば本場の英語でthirteen(13)を仮に「スァーティーン」と発音するとしましょう。それが日本人だと「サーティーン」となりますが、シンガポール人は完全に「ターティーン」と言っています。これならまだ日本人の方がマシでしょう。

家のアパートのエレベーターに乗るときなんかも、よく「何階だ?」と親切なシンガポール人が聞いてくるんですが、そこで「サーティーン」なんて言ってもビックリするくらい全く通じないのです。何回も聞き返されるので、今ではハッキリと「ターティーン」と発音するようになりました。
 若い人はもちろんわかる人もたくさんいますが、ローカルなオジさまオバさまにはそれなりの発音で話しかけないと、コミュニケーションはうまくいきません。

そういうわけで、そのフードコートのオバはんにも、それなりの発音で注文するわけです。たとえば珈琲を飲みたいときは、地元の言い方でマネて、ちゃんと「コピー」と注文するんですが、するとそのオバはんがしかめっ面で「コーフィーか?」と聞いてくるんです。それで私も「お・・おう・・・コーフィーだ」と返すんです。
 さらに紅茶(Tea)が飲みたいと思い「テー」と言うと「ティーか?」と聞いてくるんです。ティーなんて言わないんですよ普通、フードコートのオバハンごときが。どこ行ったってテーなんですから。

そして今日も、Tea-Cという飲み物が飲みたかったので「テーシー」と発音したら、「テースィーのことか?」と言われました。「テースィー」なんて言い方誰もしてねーだろうよババアこら。みんなテーシーテーシー言ってるじゃねえかなんで俺のときだけそんな忠実な発音で返してくるんだよババアこら。こらババアと、そう思ってしまうんです。

じゃあ正しい発音で注文すりゃいいだけじゃねえかと、そう思われるでしょうが、わたしは怖いんです。もし正しい発音で注文したときに、今度は訛った発音で聞き返されるんじゃないかと。もしわたしが「テースィー」と注文して、オバはんに「テーシーのことか?」と聞き返されたら、そのときは、もしかしたらわたしはオバはんを殺してしまうんじゃないかと、それが怖いんです。

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