先日久しぶりに長めのサイクリングをしてきた。
平日でちょっとヒマで外もなかなか良い天気で、でもここ1年くらい自転車できちんと遠出してなかったから、あまり気持ちがのらず、遠くに行くのがめんどくさくてめんどくさくて。だから外に出る用意をするまでにたいぶ時間がかかった。
窓の外を眺めては、いや雨が降るかもしれないとか、メールチェックして返さなきゃいけないメールは来てないかとか、とにかく行かなくていい理由を必死に探したり。
自分の心に問いかけて、ほんとは行きたいんだろ じゃあ迷わず行けよ行けばわかるさ! などと励ましたり。いやでもほんとは行きたくないんじゃないのか だったら無理するなよ しなきゃいけない事なんかそうそうあるわけじゃないんだぞ なんて事も言ってみたり。
それでやっと地図と簡易椅子と小説持って、10時過ぎに自転車で出発した。
それからゆっくり自転車をこぎながら、シンガポールの右上にある空港の向こうの船着き場を目指した。途中で昼メシ食ってるときに、裸で真っ黒な肌のキチガイみたいなジジイに、おれおまえの事知ってるぞ どっかの俳優だろと話しかけられた。悪い気はしなかったので少し話し相手になってやった。
そう、遠出をするといつも人との出会いがあるのだ。必ずいつも。相手がどんな相手であれ、家の中に閉じこもっていては経験できない出会い。そう、それが旅なんじゃん。と思いながら地図を見ながら知らない道をひたすら走り、1時頃に船着き場へ着いた。マレーシアへ行く船が片道13ドルと書いてあり、そんな安く船でマレーシア行けちゃうんだ しかも自転車も2ドルで乗せれるのかよ と一人で興奮して、今度一人で行こうと企む。
そしてその隣に長く伸びているビーチ沿いを走りながら、人気のない所でいったん休憩し、椅子を組み立てて、海を前に座りながら小説を読んだ。木陰だったが思いのほか暑く、もっとセレブ感溢れると思っていたが、けっこう心地悪かった。しかもすぐ隣に空港があるので、上空では3分に1本くらい飛行機が飛んできて、すこぶるウルサい。しかしここまで来たのだからと意地になり1時間ほど我慢して居座った。
それから飛行場の真横に伸びるひたすらまっすぐな道を走りながら、途中で止まって飛行機の離陸を真横からずっと見ていた。地面を離れる瞬間がどこなのかが気になったが、いくら注意深く見ていても、気づいたら飛行機は飛んでいる。
同じ事を考えているのかどうかはわからないが、周りにも離陸を見守るオジサンが5、6人いた。平日の昼間から離陸みてないで働けやと思った。
午後4時くらいにやっとイーストコーストビーチまでやってきたが、久しぶりの長時間サイクリングでお尻が痛く、途中で何度も休んでもうとくに見たくもない海を眺めなければいけなかった。ここからは体力も限界に達していたので、気力だけで自転車をこぎこぎ2時間くらいかけてようやく家に辿り着いた。
家に着くと急に足が痒くなり、見ると10カ所くらい真っ赤な虫さされができていた。ビーチで本を読んでたときに、なんか小さな虫が足にたくさんへばりついているなと思っていたら、今頃になってすごい効果を出してきた。この傷は未だ完全に癒えていない。
ちょっと後半疲れたが、この遠出をしたおかげで、それ以降は遠出をするのが苦じゃなくなって、最近けっこう自転車で活動的に遠くまで外出している。やっぱり最初の一歩は難しいけど、その一歩さえ踏み出してしまえば、あとはほんとうに良い事が連鎖するんだなあと、人生何百回目かわからないけどまたそう思った。
そしてまた忘れてひきこもるようになり、また久しぶりに頑張って感動を思い出し、そんな事を繰り返して人は年を重ねていく。
今日も調子に乗って午後からどこかへ繰り出そうか、それとも家でひきこもろうか。
どっちだっていいじゃないか。あとで決めようよそんなことは。
どっちだっていいじゃないか。あとで決めようよそんなことは。
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