10月30日(みず)
朝7時頃起き、7-11でブルガリア・ヨーグルトを買って、近くの船着き場へ行きました。朝から釣りをしている地元のオジサン達がいましたが、その中にちゃっかり汚い格好をした、白人のオジサンも混ざっていました。もう完全にここに住み着いている方々だと思います。
POLICEと書かれた大きい船も3艘とまっていて、船の甲板では坊主頭の若者たちがブラシとバケツでせっせと掃除をしていました。ジーッと見ていると、睨み返されましたが、ぼくは被っていた帽子をとって、ほらごらん、僕も君たちと同じ坊主頭だよ、と微笑みかけましたが無視されました。ブルガリア・ヨーグルトは間違えて無糖を買ってしまったので、ちょっと酸っぱかったです。
近くで朝飯を食べてから、部屋でずっと読書をし、昼前にやっと「東野圭吾/手紙」を読み終えました。殺人犯の弟が差別を乗り越えながら生きて行くという話なのですが、普通に生きられる恵まれた自分の環境に感謝しました。とてもエエ話でした。なんでかわかりませんが、タイでもっとお金を使おうと思いました。
12時頃まで部屋でウダウダし、チェックアウトしました。もうこれ以上フア・ヒンにいてもすることがないので、バンコクに戻って買い物でもしようと思いました。バス会社に行って、3時前くらいのバスのチケットを買おうとしたんですが、英語があまり通じなく困っていると、一人のタイ人の女の子が通訳してくれました。高校生くらいの子ですが、稀に見るカワイイ子でした。彼女もスタッフだと思ったので、荷物は預かってもらえるかとか、トイレはどこだとか、色々聞いて教えてもらいました。しかしよく見ると、私服を着ているし、待ち合い席に行儀よく腰掛けているので、もしかしてあなたも乗客ですか?と聞くと、笑顔でイエスと言ったので、丁重にお礼を言ったのですが、その笑顔が168点くらいの可愛さぶっちぎりでした。それからネットカフェなどで時間を潰しましたが、ずっとその子の笑顔が脳裏に焼き付いていました。これから同じ所へ向かうのだなあと考えると、ちょっとドキドキしました。変態か俺は。
まだ少し時間があったので、例のレストランでまたカシューナッツ炒めを食べ、セクシーブス姉さんに、これからバンコクに行くというと、あらアタシはイサーン出身なんだけど、前はバンコクの大学に通ってたのよウッフン♥と言っていました。秋田出身の田舎娘が東京の大学に通い、そこで横浜出身の男性と出会い、結婚し彼の地元でいっしょに洋食屋を営んでいる、そんな感じなのかなと思いました。
まだバスの出発まで30分以上ありましたが、バス会社に行ってみると、おまえコレに乗れと言われ、無理矢理早いバスに乗せられました。バスは順調に猛スピードでバンコクに向かいましたが、バンコクに入ってからはまた渋滞に巻き込まれ、およそ3時間で目的地のモチット駅に着きました。今夜はどこに泊まろうか迷いましたが、やはりあの民宿の食堂でまた食べたいなと思い、日本人宿に行きました。着いたときはもう日が暮れそうだったので、食堂で晩飯にまたコロッケ定食を食べました。
前の気持ち悪い奴もういないだろうなーと思ってたら、リビングでタバコ吸ってました。一週間もなにやってんだこのクズ!と思いましたが、よく考えるとここには一週間以上泊まるオヤジなんてザラにいるんです。驚くようなことじゃないか、と思いましたがなるべく目は合わせないようにしました。彼が漂わす負のオーラが半端ないです。幽遊白書の下等妖怪みたいな奴です。でもほんとはちょっと話を聞いてみたい気もします。毎日なにやって過ごしてるんですか?
夜の部
夜10時くらに、また夜の街へと一人繰り出しました。懲りてない。まったく懲りていない。どこか面白い所を自分で探そうと思い、繁華街の小道を行ったり来たりしていると、アフリカ系黒人ばかりがいるエリアに着きました。怖いです。さらに先へ進むと今度はアラブ系のたまり場にでました。犯罪の臭いがぷんぷんします。しかしこれだからバンコクは面白いんだよなという感じもします。
1時間ほどブラブラし、もう悪の雰囲気にオナカいっぱいになったので、ビールでも飲もうと前回行った盛り場へ行きました。ゴーゴーバーは入らずBARでちびちび飲みながら、男を捕まえる女性たちの逞しさを観察しました。でも実は女性よりもニューハーフの方が積極的で強引です。歩いてくる男の前にいきなり立ちふさがり、間髪入れず相手の両手をとり無理矢理自分のケツと胸を触らせます。自分の武器を惜しみなく使い、あっというまに獲物を巣へと連れて行きます。あの道だけは通るまいと思いました。
10分ほど一人で飲んでいると、わたしのとこにも店の女の子が話かけてきたのですが、その子の顔を見てアレ!?と思い、おもわず「俺キミに6年前に会ったことあるよ!」というと、あっちは「えっ!?・・・ハシモト・・・ハシモトマコト!!?」
いいえ、わたしはハシモトマコトさんではありませんが、彼女の顔はたしかに見覚えがありました。わたしがはじめてタイに来た6年ほど前に、たしかここらへんのBARで通りすがりに股間を思いっきり握られたことがあるのです。
ところでハシモトマコトとは誰かと聞くと、彼とはずっと昔にここで知り合って恋人になり、いっしょに日本で2年ほど住んだのですが、結局別れてしまったらしいです。2年もいっしょに暮らした彼と一瞬間違えられてしまいました・・。
それにしても彼女は2年も日本に住んだことがあるだけあって、日本語がほんとに流暢で、色々なことを話してくれました。ちょっと小太りで、もう30歳くらいなのですが、いつかまた素敵な日本人の男性をつかまえたいそうです。
20分くらい話して、「あなた今日はわたしを買う気ないでしょ?それじゃあわたし仕事続けるね♥」と申し訳なさそうに言って、笑顔でまた日本人のお客さんを探しに行ってしまいました。千葉県のハシモトマコトさん、彼女は何年もあなたの事を忘れられず毎晩泣いていたようですが、もうすっかり立ち直って、また新しい恋人を見つけるべく、毎日頑張って働いていますよ。
BARで結局3本もビールを飲んでしまい、そろそろ帰ろうかなと思い、その前に建物内を少し歩いていると、あるニューハーフの店の前で、わたしより背の高いニューハーフに囲まれてしまいました。ちょっと寄ってきなさいよアンタ!と恫喝されて困っていると、一人のニューハーフが目に入り、アレ!?と思い、おもわず「俺キミに6年前に会ったことあるよ!」と言ってしまいました。
またもや懐かしい人に会ってしまいました。彼女(彼)も、6年ほど前にニューハーフ3人とタクシーを相乗りして宿に帰ったときにいた一人でした。わたしの事はやはり覚えてないらしく、何を言ってもキョトーンとしていましたが、最後に「キレイになったね」と言うと、ちょっと嬉しそうにモジモジしていました。ほんとうは前よりもちょっと太ってて肌も荒れてたんですが、まだ同じ店でちゃんと真面目に?働いていたんだなあと感動しました。
その感動に酔いしれながら、BARでもう一杯ビールだけ飲んでから、ダラダラ歩いて帰りました。帰り道に「みんな頑張ってんだなあ」と何回も一人で呟いてしまいました。