2015/11/13

ドームイン夜

昨晩スンゲポール対大日本帝国のサッカーW杯予選だかなんだかの試合を観戦しに行った妻と。チケットは二番目の安い席で28ドル。ゴールの斜め後ろであったが全く問題なく、18ドルの一番安い席でも良かったかなと思う。

初めてナショナル・スタジアムの中に入ったが、なるほど素敵でした。広くてトイレたくさんあってビールやファーストフードの店もあって、なにより音の響きがよかった。
選手が準備運動しに出て来たが、本田だけ金髪なのですぐわかった。生で見る本田は、足がすごく太く、その太さのせいでやや短足に見え、なんかゴリラみたいな、他の選手とは違う異様な感じがした。これは褒めています。とにかくただ者じゃない感じがした。

そしてまだベンチにも客がチラホラだというときに、一人の日本人のおっさん、ちょっと太っててラフにスーツ着てるオッサンが、練習する選手の方に向かって「本田!頼んだぞー!」と叫んだ。その瞬間なにかすごくしっくりこない変な物を感じた。頼んだぞ?本田、頼んだぞ?
たくさん人がいて、みんなで応援してて、その中でどさくさに紛れての頼んだぞー!なら違和感なかったと思うが、一人でポツーンと立ってるオジさんが急に本田頼んだぞー!
普段から日本語を教えている身として、頼んだぞの真意を考えてしまった。もちろん要するに頑張って勝利に導いてくれよ!という意味なのはわかってるが、私もつられて本田!おまえ今頼まれたぞー!このオッサンに頼まれたぞー!と叫びたかった。

まぁそんな事はどうでもいいんだが、サッカーの試合というのを生まれて初めて生でちゃんと見たけど、なかなか面白く90分全く目が離せなかった。地元民の席に座っていたので、日本に点を決められたときは、みんなでアラマーー!(偶然にもマレー語であらまぁという意味)と叫び、シンガポールが好プレーをしたら手を叩き、本当に楽しい90分だった。やはり素人目に見ても日本チームは上手で強かったので、シンガポールは負けてしまったが、とても良い雰囲気で試合が終わり、日本人もシンガポール人も笑顔でスタジアムを後にしたと思う。日本代表にはあまり興味がないが、サッカーがなかなか面白いスポーツだとわかったので、また今度日本やシンガポールチームや、他のなじみのあるチームの試合を見てみたいと思った。チケットが30ドル以下ならば。



2015/11/11

ソープにさよなら

2週間前にレボリューションをしました。
そのレボリューションとは、石鹸を使わないこと。シンガポールへ来てから、なんとなくシャンプーを止めて、洗顔クリームもやめて、頭も顔もオーガニック石鹸で洗ってきました。それで以前よりやっぱりなんかよくわからんけど良いような気がする〜と思っていたのですが、こないだ日本に帰ったときにテレビで、堺正章の元嫁の名前はわからないですがクソ可愛いオバハンが、わたし顔洗うときは何もつけないんですよとか言いながら美肌の自慢をしていたのを見て、それを急に思い出しいきなり止めてみた次第です。それを信じたというよりは、けっこう前からやってみたかったんですが。

最初の2日間くらいは、ちょっと抵抗があり、まだなんかヌルヌルしてんじゃんという肌と頭をタオルでぬぐうのが躊躇われたんですが、もう慣れて全然平気です。調子がよくなったとまでは言いませんが、悪くはなってない気がするし、今度北海道へ帰ったときも、前みたく肌がカサカサにならないんじゃないかな、ならないよ、きっとならないよこんな大胆な事してるんだから、という希望的観測をしています。なんにせよ石鹸代浮いたぜラッキー。



2015/11/03

岸辺のシロー



先週末エスプラネードで、舞台「海辺のカフカ」を見てきました。村上春樹原作で、主演は宮沢りえさん。
前から3列目だったしきっとチケットはお高かったと思うんですが、もちろん私が買ったわけではなく、日本語を教えているフランス人の方からいただきました。お連れ様が行けなくなったみたいで。なのでその人と二人で見ました。
エスプラネードで舞台を見るのは初めてだったのですが、今回の舞台が行われるところはオペラハウスみたいな4階席まである劇場でした。お客さんはおそらく半分以上が日本人だったはず。それもそのはず、劇は全部日本語で、ステージの両端に小さいスクリーンがあって、そこに申し訳程度に英語字幕が流れるだけなので。

劇は午後8時ちょうどに始まり、いきなり舞台の奥からガラス張りの箱に入った宮沢りえさんが出て来ました。わたしはなぜだかものすごく興奮して、胸の奥から熱いものがこみ上げてきました。けっこうミーハーだったみたいです。そのあとも藤木直人さんが出て来ましたが、藤木さんの時はとくに感動もしませんでした。やはり宮沢リエは特別です。

ほかの役者さんは、知っている人はいませんでしたが、でも宮沢さん藤木さんを筆頭にみんなとてもいい演技で、すぐに劇に引き込まれました。ものすごく長いセリフもたくさんあって、逆にわたしがハラハラしましたが、みなさんきちんと演じきっていました。内容もとても難しく、小説を読んでなかった人はチンプンカンプンだったと思います。難しいというか、猫と話したり、カーネルサンダースが出て来たりと、とてもエキセントリックな内容です。
わたしは村上春樹の小説はほとんど読んだことがないのですが、奇跡的に「海辺のカフカ」だけは読んでいたので、なんとかついていけました。

おそらくこの小説を読んでいない、しかもみんなシンガポール人だと思うのですが、私にとっては全く笑う必要のないシリアスな場面で、なぜか会場から笑いが巻き起こったりしました。たとえば脇役のおっちょこちょいな女性が諺を忘れてしまったときとか、藤木直人が自分の身体の秘密をカミングアウトしたときとか。
となりのフランス人の方も、なぜみんな笑うのかやはり不思議だったと言っていました。

そして3時間はあっというまに過ぎ、役者さんがみんな出て来て、頭を下げたり手を振っていましたが、このときも私は宮沢りえさんだけを見ていました。ほんとうに綺麗でした。5分くらいずっと拍手をして、劇は終わったんですが、フランス人の方が、フランスだとこれが30分くらい続くんですよと言っていました。フランスで舞台は見ないようにします。