2018/02/01

坑夫の祈り

去年の7月くらいから髪を切らずに伸ばしている。と言っても8月に一回、11月に一回、美容室に髪を整えてもらいに行ったが、二つともいい感じのオシャレで小粋な美容室に行った。ちゃんとお金も払った。11月に行ったときは、後ろ髪をけっこう短く切られ、伸ばすって言ってんだろうがと、ほんの少しだけ憤ったが、なかなかどうして伸びてくるとだいぶしっくりくる。やはり有能な美容師さんはちゃんとあとの事を考えて切ってくれているのだ。少しでも疑った私は愚か者で何も知らないロン毛素人である。

今前髪は目の下3cmくらいまで伸びているし、サイドも完全に耳が隠れるほどだ。ロン毛は維持が大変だと思っていたが、今のところ思いの外全然大変ではない。むしろ短いときよりも楽だという錯覚さえ起こしそうなほど、思っていたより楽だ。寝癖はあまりつかないし、ついても水つけてグワってかきあげたらなんとかなるし、なにより多彩な髪型にできるのがいい。中分けでも七三でも帽子被っても、なんでも無難にまとまる。これもきっと美容師さんのおかげなのだろう。もう2、3ヶ月できっと髪が束ねられるようになるだろう。楽しみだ。

夏目漱石をまだちびちび読んでいて、昨日「坑夫」を読み終わった。よかった。炭坑の中で梯子を登ってるときに体力の限界が来て、手を離しそうになるがあきらめずに登るところ、登ることは生きることで、生きることは登ること、というのがよかった。
去年バリで泳いでいて溺れそうになり、必死に泳いで命からがら浜辺にたどり着いたことを思い出した。あのとき私にとって確かに、泳ぐことが生きることで、生きることは泳ぐことであった。

今日は満月がものごっつう光っているが、昨日は皆既月食かなんかであったらしく、小さいながらも薄ら赤かった。家の中にいた奥さんを呼んで、外に連れいていき月を指差し、月が変だよと言ったら、知らねえよそんなのという感じで、そこは蚊がたくさんいるからと捨て台詞を吐いてすぐに家の中に戻っていった。月になんて興味がないのだろう。そして、私たちがいた場所は、うちの敷地内でも唯一、蚊が全然いない場所である。そんな事もよう知らん嫁である。



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