先日ひじょうに良い本を読んだ。
【 甲田光雄著/断食療法の化学 】
1973年初版という、私が生まれる前に書かれた古い本である。先日タイに行ったときに、泊まった安宿(一泊千二百円也)にたまたま置いてあったので、宿の主人に断って持ち帰ってきた。(かわりに、読み終わったくだらねえ本を置いてきた)
「断食療法」というおどろおどろしいタイトルだが、内容は健康全般に関することで、断食のみならず「健康維持」や「体質改善」について色々と書かれている。「玄米食」「生水・生野菜」「陰陽論」「温冷浴」「骨盤矯正」などなど
そして特筆すべきは
健康維持にはもちろん「合理的」な事が必要だとしたうえで、しかし体質を改善するためには「非合理的」な事が必要だという考え。
例えば、寒かったらもう一枚上着を着るのが当たり前だが、それじゃあ冷え性は治らないんだから裸になって鍛え直せ という事。
これだけ聞くと は? バカなの? と思うかもしれないが、そこを詳しくわかりやすく医学の見地から書いてくれている。これは本当に目から鱗な理論で、健康男子はもちろんのこと、特に病弱で慢性病なども患っていて、現代医学には絶望しているという人にはぜひ読んでほしい。
私はなんにおいても「バランス」というものが、非常に大切だと思っている。しかし「断食」というのはとても偏った考え方で、そのバランスを崩してしまうように一見思えるが、今の世はひたすら「合理性」だけを求めており、逆にこの「合理性至上主義」な考え方こそが偏っていて、ときに「非合理性」を適所に入れていくことで、本当のバランスが保たれる という事も言えないだろうか。言えないか?本当に言えないか?
私はこの考え方には、医療だけにとどまらず、身の回りの小さな問題から世界中の大きな問題まで、全てを改善するヒントがあるような気がしてならない。
一つだけ注意が必要なのは、本の中で「玄米・生水・生野菜」をすすめているが、今はもうこの頃とは時代が変わってしまい、質の良い「玄米・水・野菜」を見つけるのは、けっこう難しくなっているので、そこだけ気をつけてほしい。例えば「有機栽培」の玄米でも、動物性肥料と植物性肥料を使ったものでは、危険度が全然違ってくるらしい。
(こないだ日系スーパーで、新潟の玄米生産者さんから直接聞きました)
ちなみに私は「マクロビ推進」でも「肉食反対」でもない。
0 件のコメント:
コメントを投稿