2015/09/07

講習パート2

先日また柔道インストラクターセミナー・パート2に参加してきました。前回の3日間で終了だとすっかり思い込んでいましたが、もう2日間あったみたいで。

1日目の午前はメンタルスキルという事で、スポーツにおける精神のコントロールの仕方なんかを学びました。メンタルの弱い私にはとても興味深いトピックだったのですが、英語だったので案の定30%くらいしか理解できませんでした。もったいねーの極みでありますが、テキストをいただいたので、一ヶ月くらいかけて英和辞書片手にじっくり解読しようと思っています。

一つ印象に残ったのは、試合を前に緊張している選手に、コーチが「落ち着け、落ち着け」と言ったところで、どう落ち着いていいのかわからないので意味なし、という所です。これは希望を失った人に、周りの人が浅はかな言葉で励ますのに似ているなと思いました。

午後からは初心者向けの柔道レッスンの進め方で、二人ずつペアになってインストラクターの役になり、準備運動、受け身、打ち込みなどの、格基本運動をすすめていくというもので、わたしは20歳くらいのシンガポール人のベン君とペアになって、「乱取り」を担当しました。乱取りを始める前に、「乱取り」と「試合」の違いについて、みんなに説明をしなければならなかったのですが、もちろんほぼベン君にしゃべってもらいました。わたしは「投げられたら受け身で畳をバシッ!と叩いてね。その音が大きいと、投げた方がもっとスカッと気持ちがいいから。」とわけのわからない説明をはさみ、みんなの失笑を買いました。

2日目は「投の形(なげのかた)」の指導についてです。投の形とは、強さを競う競技柔道とは違う、正しい技の形を学ぶための形稽古で、黒帯を取るときに、必ずみんなこれを練習しなければならないのですが、なぜか私はこれをやった事がありません。役場に出生届を取りにいったらなかったみたいな気分です。講師の人も、黒帯を持っているのに形を指導できないというのは非常に恥ずかしい事です、と言っていました。という事で、そしらぬ顔で講習を受けましたが、未知との遭遇でなかなかおもしろかったです。

誰かが道場の隅でいつも練習しているのを見ながら、もう黒帯も取ったし昇段する気もないし、わたしには縁がないものだなと思っていましたが、実はこの投の形は非っっ常に奥が深いもので、今のMMA(ミックスマーシャルアーツ)ブームに対する自分の違和感を払拭してくれました。いわゆる暴力とは一線を画す武道のあり方のようなものを感じたわけです。もうこんな年ですが、ここに来てやっと武道というものの神髄に触れたような気がしました。たしかにこれをやらずして柔道を語るのはナンセンスというものでございます故、これから少しずつ練習していきたいです。

そんなこんなのハッチポッチステーションで、講習は朝9時から夜6時までみっちり行われ、家に帰ったときには疲労困憊で夜9時前に寝てしまいました。



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